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『ウッドミック』2015年2月10日発行 通巻383号 編集後記

 スギ、ヒノキの国産材を使って住宅他の内外装ドアを注文生産している守谷建具店(埼玉県所沢市)へ新しい「センターバイス式木口ボーリングマシン」(守谷スペシャル)が導入されたというので取材に伺った。見れば、建具職人の彼ならではの独自の木犀治具が取り付けられ、木ダボ接合の木製ドア生産に特化された木工機械に仕上がっていた。思わず感心して唸ってしまったが、メーカーのアイキューワン(静岡県焼津市)では、守谷氏の試用をもとに改良・改善した木工機械を今秋名古屋で開催される日本木工機械展へ出品していきたいと云う。

 さて、守谷和夫氏は建具職人の顔の他に、巷の発案・発明家としての顔も知られている。木工機械の取材訪問の序に、守谷さんが東電の福島原発事故以来取り組んでいる放射線遮蔽建材の開発状況についても知らされた。不燃建材開発の折に採用したホウ砂とホウ酸を活用してセメント等と反応させて固めた薄いボードがセシウム等の放射線を遮蔽するという事で、早く実用化して原発現場はもとより福島を始めとする住民の皆さんのお役にたちたいと一生懸命なのだ。守谷氏による試作ボードの公的試験結果も、特許申請資料として既に特許庁のホームページに掲載されインターネット上で公開されていると云うが、悲しいかな記者に専門知識が無く堂々と誌面掲載するには専門家の言質を必要とする為、今しばらく時間がかかりそうである。

 さて従来、放射線透過抑制効果は鉛やタングステン等の重金属加工品類、コンクリート構成物体等、比重、質量、密度に起因する原理で実証されてきたそうであるが、守谷氏は石灰とホウ砂とホウ酸、水ガラスを混ぜて反応させ、安価で軽量な放射線透過抑制ボードを手作りして大学と公的試験研究機関で実証実験したところ、放射線透過抑制効果を発言する結果が得られ、新たな技術開発に繋がりそうだというのである。

 要するに1.5mm厚の鉛板と守谷氏手作りの5.5mm厚ボードの放射線透過抑制効果が略同程度だという事で、新たな機能性を付与した住宅建材への展開が期待されるという話である。

 表は守谷式モルタル(仮称)5mm厚さのガンマ線遮蔽率測定結果であるが、興味のある方は守谷氏(電話番号 042-948-2336 )に詳しく訊ねられたし…。

測定資料
線量率
( uSv / H )
遮蔽率
( % )
モルタル
8.99 ± 0.1
10.1

(安)

『ウッドミック』2015年2月10日発行 通巻383号、株式会社ウッドミック より一部改変のうえ転載(原文は次ページ以降参照のこと)

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